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ライフイベントのなかでも、もっとも大きな買い物のひとつが住宅です。住宅を購入するにあたっては、物件選びも重要ですが、必ず考えなくてはならないのが資金計画。自己資金をどのくらい準備すればよいのか、住宅ローンはいくら借りられるのか、マネープランを綿密に立てることが大切です。
ここでは、住宅購入に関わる費用について見ていきましょう。
住宅購入
住宅購入の予算は、「自己資金」+「無理なく返済できるローン」で考えます。住宅を買うために用意しておきたい頭金、つまり自己資金は一般的に購入金額の2割程度と言われています。というのも、住宅ローンは、購入価格+建築費の8割程度まで借入れできるケースが多いため、逆算して2割を頭金として用意しなくてはならない計算だからです。
しかし実際のところ、住宅購入費用以外にも、税金・保険料・手数料などさまざまな費用(通常200万円前後)が必要になるため、2割以上の自己資金を用意するとよいでしょう。
家を買った人の平均購入金額
購入金額 | 資金調達の内訳 | ||||
---|---|---|---|---|---|
自己資金 | 融資金 (機構買取・付保金) |
その他からの借入金 | |||
全国 | 土地つき注文住宅 | 4,455.5万円 | 412.3万円 | 3,840.6万円 | 202.6万円 |
建売住宅 | 3,604.9万円 | 270.0万円 | 3,120.9万円 | 214.0万円 | |
マンション | 4,528.5万円 | 785.9万円 | 3,562.2万円 | 180.3万円 | |
中古戸建 | 2,614.4万円 | 214.9万円 | 2,255.7万円 | 143.8万円 | |
中古マンション | 3,025.8万円 | 418.9万円 | 2,473.7万円 | 133.2万円 | |
首都圏 | 土地つき注文住宅 | 5,132.6万円 | 508.7万円 | 4,372.1万円 | 251.8万円 |
建売住宅 | 4,133.3万円 | 327.3万円 | 3,555.6万円 | 250.4万円 | |
マンション | 4,913.4万円 | 877.8万円 | 3,836.0万円 | 199.6万円 | |
中古戸建 | 3,151.7万円 | 290.7万円 | 2,683.4万円 | 177.6万円 | |
中古マンション | 3,295.1万円 | 463.1万円 | 2,685.4万円 | 146.6万円 | |
近畿圏 | 土地つき注文住宅 | 4,658.5万円 | 429.6万円 | 3,999.1万円 | 229.7万円 |
建売住宅 | 3,578.2万円 | 281.5万円 | 3,091.8万円 | 204.9万円 | |
マンション | 4,477.6万円 | 792.0万円 | 3,515.5万円 | 170.1万円 | |
中古戸建 | 2,433.9万円 | 168.4万円 | 2,117.4万円 | 148.0万円 | |
中古マンション | 2,654.1万円 | 367.5万円 | 2,170.9万円 | 115.7万円 | |
東海圏 | 土地つき注文住宅 | 4,379.2万円 | 378.1万円 | 3,793.5万円 | 207.6万円 |
建売住宅 | 3,138.6万円 | 177.5万円 | 2,754.5万円 | 206.5万円 | |
マンション | 4,261.9万円 | 538.9万円 | 3,526.2万円 | 196.9万円 | |
中古戸建 | 2,251.6万円 | 140.7万円 | 1,976.4万円 | 134.5万円 | |
中古マンション | 2,208.0万円 | 244.0万円 | 1,857.7万円 | 106.3万円 |
- 首都圏:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
近畿圏:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県
東海圏:愛知県、岐阜県、静岡県、三重県 - その他からの借入金:公的機関、民間金融機関、勤務先、親・親戚・知人
参考:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2021年度)」
住宅ローンについて
住宅は高額ゆえに、多くの人が住宅ローンを活用します。では、住宅ローンはいくらまで利用でき、いくらまでの物件を購入できるのでしょうか?
住宅ローンは、返済が長期にわたる可能性が高いため、最初に綿密な資金計画を立てて、生活に支障をきたさないことが重要です。一般に、住宅ローンの年間返済額は、年収の20%以内が目安とされています。この目安をもとに何年で返済できるかを考え、住宅ローンの借り入れ総額を逆算すれば、おおよその購入可能金額を算出することができます。
また、住宅ローンの返済中でも、教育資金や老後を見据えて資産を形成していくことが大切です。貯蓄にまわす余裕があれば繰り上げ返済をしたいと考える人は多いかもしれません。しかし、低金利で住宅ローンを借りつつ、所得税や住民税などが軽減される税制優遇制度を利用し、余裕資金で資産運用を持続的に行う方法も長い目でみれば有効と言えます。
住宅ローンの平均返済額と返済負担率
全国平均 | 三大都市圏 | ||
---|---|---|---|
年間返済額 | 返済負担率 | 年間返済額 | 返済負担率 |
139.4万円 | 18.1% | 169.1万円 | 17.6% |
- 三大都市圏:首都圏、中京圏、近畿圏
- 返済負担率:世帯収入に占める住宅ローン年間返済額の割合
参考:「住宅市場動向調査報告書(令和3年度)」国土交通省
まとめ
いつか住宅を手に入れたいと考えているなら、早い段階から自己資金を形成して住宅ローンの借入負担を減らすことが必要です。また、住宅リフォームも大規模なものになると住宅購入にひけをとらない金額になります。住宅購入や住宅リフォームをいつ頃実行したいのか目標を立て、貯蓄や資産運用で資金を形成する方法を考えましょう。